大衆文化が花開いた江戸時代。歌舞伎役者やファッション,旅の名所など,浮世絵版画は庶民の娯楽を映し出すメディアとして流通し,今日もなお,人々に親しまれているお馴染みの作品があります。
雪景色の「蒲原」の図,夏の夕立のなか旅路を急ぐ「庄野」の図などは,歌川広重の名作「東海道五拾三次」(保永堂版)に出てくる作品です。江戸から京都までの旅を全55図でお楽しみください。あわせて本展では,広重「五十三次名所図会」(縦絵東海道)と葛飾北斎「東海道五十三次」小判と中判(特別出品)も全55図展示します。
また,浮世絵はゴッホなど西洋の画家にも多大な影響を与えました。本展では,ゴッホの作品(写真展示)と広重の浮世絵作品を比較展示します。
時代は,まさに浮世絵の黄金期でした。このほか本展では,喜多川歌麿とその流れをくむ絵師たちの美人画や東洲斎写楽らの役者絵,相撲絵,そして「おばけ絵」や「寄せ絵・遊び絵」「横浜絵」など,幕末までの浮世絵のバラエティー豊かな世界をご紹介します。
現代にも通ずる江戸庶民の世界を約220点の浮世絵版画でお楽しみください。