西洋美術の歴史のなかで、人々のさまざまな欲求や希望をかなえるものとして描かれてきた肖像画。
16世紀、人文主義の興隆により個人に対する興味が高まったことを背景に、改めて肖像画の関心が高まり、ヨーロッパで多くの肖像作品が制作されるようになる。やがて時代とともにその役割は変化し、芸術家たちは外見だけでなくモデルの内面性をとらえることを試みはじめ、肖像画は特定の個人の記録という目的から美術作品として鑑賞されるものへと変化していく。ボストン美術館が誇るヨーロッパ美術コレクションより、ヨーロッパ肖像画の変遷を絵画だけではなく版画・彫刻などの肖像作品で紹介。
ドガの《エドモンドとテレーズ・モルビリ夫妻》は日本初公開。