「おくりもの」ということばから、私たちは何を連想するでしょう。たとえば、誕生日や記念日の贈物、旅先で見つけたお土産などが思い浮かびますが、いずれも大切な相手への祝福や感謝を託して伝えるものであり、そこには相手が喜ぶ顔が見たいという気持ちもこめられています。また、このような形あるモノばかりでなく、生命の誕生、自然からのめぐみ、そして作家からのメッセージがこめられた作品などその解釈はさまざまです。こうして見回せば、私たちのまわりは様々な「おくりもの」で満ちていることに気がつきます。
この展覧会は、国内の美術館や所蔵家からの出品による優れた近現代の美術作品と、当館の収蔵作品をあわせた絵画・彫刻・版画など約80点を通して、このように私たちの身近にある「おくりもの」を見つけ出そうとするものです。会場では、「おくりもの」をキーワードとした6つのテーマを通して、作品の世界を紹介します。
また、常設展示の一部でも「おくりもの」をテーマとした展示をおこないます。数々の作品の魅力にふれるとともに、様々な「おくりもの」を発見する機会となることを願っています。