友禅と型染は、いずれも日本の染めを代表する技法です。
友禅染は大変手間のかかる技法ですが、絵画のように自由な図柄を表現できるのが特色です。江戸時代中期に完成され、東京、京都、金沢で発達しました。近代においては、森口華弘や木村雨山などが優美で洗練された近代の友禅を作り出し、また、東京友禅と称される、粋で瀟洒な友禅が盛んになり、中村勝馬、山田貢ら優れた作家が輩出されました。
一方、型染は型紙を用いて模様を染める技法です。型を使うため、同じ図柄を繰り返すことができます。量産に適しているというだけでなく、型で表された模様ならではの味わいがあります。特に絵模様を表した型絵染の分野では、芹沢銈介、稲垣稔次郎が独自の作品世界を切り開きました。
所蔵作品の中から、近代から現代にかけた友禅と型染の優品を展示します。
展覧会構成
・友禅の世界 森口華弘、木村雨山
森口華弘、木村雨山の代表作を中心に、中村勝馬、山田貢による東京友禅も展示し、近代の友禅の魅力に迫ります。
・型染を味わう 芹沢銈介、稲垣稔次郎、伊砂利彦
芹沢銈介、稲垣稔次郎による着物、屏風、また、稲垣に私淑した伊砂利彦による現代の型染も併せて展観し、型絵染表現の多様な世界を紹介します。
ギャラリートーク(研究員によるガイド)
6月24日(日)「友禅と型染について」三上美和
工芸館にて午後2時~
参加無料(ただし、展覧会チケットが必要です)