昨年度の「日本染織に見る青の魅力」展に次いで、今年は「緑」色をテーマの展観です。藍染めなど青色の染織品に限定した前回とは異なり、今回は青磁や翡翠の工芸品、また、制作当初の色ではなく、長い伝来の経年変化によって「緑」色に発色した青銅器などの工芸品を展観します。また、「緑」色を染め出すことのできる天然染料はないことから、藍で下染めしてから黄色の染料をかけ合わせるという、複雑な手間を経て初めて生まれる「緑」色の染織品、世界各地の民族の染織も厳選し、「緑」色に込められた宗教的、心理的な意味についても、探ってみようと思います。