石田徹也は1973年に焼津市に生まれ、静岡県立焼津中央高校を経て、武蔵野美術大学を卒業後、東京にて精力的に絵画の発表を続けてきた。2005年5月に東京の町田付近にて踏切事故にあい、不帰の人となった。NHK「新日曜美術館」にて紹介後、多くの鑑賞者に衝撃を与えることとなった。
石田徹也の作品はキャンバスに石田個人の実生活からイメージした世界を描くが、描かれた世界は非現実な世界のように見える。けれども自らが選んだ自画像とも思える描写は日本の社会における個人の人権の尊さ、学校教育の問題、管理された日本の社会の構造を痛烈に批判し、人々の心の問題を表現している。少年の犯罪や児童殺傷事件が社会問題となっている今日、石田徹也は弱者である少年や児童の心のよりどころを自己の問題として捉えて、絵画によって表現することで、現代人の心の奥底に潜む「痛みや悲しみ」を描いた。