日本のアニメーションが海外から高い評価を得ている事は言うまでもなく、今日のアニメ品質の基盤が1970年代後半から革新を遂げる中で、多大な貢献を担った安彦良和の存在は大きい。映画「さらば宇宙戦艦ヤマト」を絵コンテ担当として手がけながら「機動戦士ガンダム」ではキャラクターデザイン&作画監督をつとめ、処女作で描いた漫画「アリオン」が話題となり映画化される中で、原作・デザイン・監督と多彩に活躍。一貫した品質で多くの作品を次々に発表し、当時は「子ども向け」とされていたアニメ・漫画メディアを大人も魅了するまでに引き上げ、その表現力と可能性を広げた。これまでに安彦作品はさまざまな分野で活躍中のクリエーター達に多大な影響を与え続けている。
本展覧会では、初期から現在執筆中の作品まで約320点以上におよぶ原画を一同に集め、「安彦画」とまで言われた、その卓越した画風の魅力と、創作の基となるアイデアスケッチ・設定画・漫画原稿とラフ(下絵)等、また参考出展として映像展示やキャラクターフィギア等の造形展示も合わせた最大規模の充実した内容で、四半世紀以上も続く人気作品を生み出す創作過程の秘密に迫ります。また、当館では特別にこれまで展示されることのなかった最新作原画も展示されます。