大倉喜八郎は明治から大正時代にかけて、汎アジア的な視点から東洋の古美術品を網羅的に蒐集してコレクションの充実を図りました。その内容は、アジア諸国の仏教美術を始め、中国の絵画、陶磁・漆工などの工芸品、陶俑や銅鏡などの考古遺物に加えて、宋元版本の貴重書を含む中国の古典籍と極めて多岐に亘ります。従来、その全体像が紹介されることのなかった東洋関係の蒐集品の数々を、奇才・伊東忠太建築による中国古典様式の幻想的な展示館の雰囲気とともにお楽しみ下さい。
主な展示作品
[中国]
「晋沛国相張朗碑」西晋時代・永康元年(300)
重要文化財「如来立像」北魏時代・6世紀初、同拓本
「仏頭」北斉時代・6世紀
「婦人俑」唐時代・7~8世紀
重要文化財「韓集挙正」南宋時代・淳熙16年(1189)
重要文化財「大唐三蔵取経詩話」南宋時代・13世紀
重要美術品「青磁香炉」南宋時代・13~14世紀
「花文堆朱輪花盆」明時代・16世紀
「清明上河図巻」明時代・16世紀
「宮女図巻」清時代・17世紀
「天后聖母立像」清時代・17~18世紀
[朝鮮]
「唐草文螺鈿箱」高麗・13世紀
「釈迦如来及諸聖衆像」李朝・万歴19年(1591年)
[東南アジア・インド]
「仏陀立像」タイ、アユタヤ朝・16~17世紀
「過去五十仏と仏伝図」タイ・ラッタナコーシン朝・19世紀
「銀製菓子盛器」タイ・ラッタナコーシン朝・20世紀
「仏横臥像」ミャンマー・19世紀
「多羅菩薩像」インド・パーラ朝・10世紀
「宝冠仏像」インド、パーラ朝・11世紀 ほか