平成18年度の新収蔵品を紹介する展覧会をこの春から開催しています。「新収蔵品展Ⅰ」は3月14日(水)から5月27日(日)まで開催し、日本画家、岩波昭彦の作品16点を始め、智内兄助、他(寺田小太郎コレクション)から14点、井上和(洋画)坂田虎一(洋画)、吉田勝彦(エングレーヴィング他)、大竹敦人(写真)の全49点を展示しました。
5月30日(水)からは愛媛県今治市出身の現代美術家、田窪恭治の作品17点を展示しています。金箔、廃材、蜜蝋、コンクリート。これらが一体となり、神々しい雰囲気と卑近な物質性とが織り成す独自の宇宙空間を創りあげています。
田窪は現在、香川県金刀比羅宮の文化顧問として、こんぴらさんの全体的な文化プロジェクトを推進しつつ作品を手がけています。その契機となったのは、1980年代終わりからフランス、ノルマンディー地方の小さな村にある、サン・ヴィゴール・ド・ミュー礼拝堂の再生プロジェクトを約10年という長い歳月をかけて完成させ、世界中から注目されたことでした。礼拝堂は、その内部壁面の作品から、「林檎の礼拝堂」と呼ばれ親しまれています。
今回新収蔵作品となった田窪作品は、1980年代初めの作品から、90年代後半の礼拝堂プロジェクトにいたるまで多岐にわたります。