芸術家にとって生まれ育った風土は、創作の原風景として時折その作品に表れます。それは単に美しい風景ばかりではなく、自然とともに生きる人の姿です。さらに鮮烈なイメージをその風土から得て、新たな美が創造されてきました。
四季のある国・日本の中でも、秋田はことに美しい四季にめぐまれています。春には梅、桜、藤、躑躅の花が一月足らずの間に次々と咲きほこります。夏には強い日射しに育まれた生命が地に満ち、秋には頭を垂れた稲穂が象徴するように大地は自然の恵みに彩られるのです。やがて雪が地表のすべてを覆いつくし、冬は静寂の銀世界となります。その美しい郷土を誇りとして、描き続けた作家たちも少なくありません。
展覧会では個性的な10名の作家たちをとりあげました。彼らの日本画、洋画、版画、写真によって、四季に彩られた秋田の美しい大自然の姿ばかりでなく、画家たちのまなざしが深く希求した美の世界をご紹介いたします。
第1部出展作家:福田豊四郎、柴田安子、紺野五郎、千葉禎介、櫻庭藤二郎
第2部出展作家:横山津恵、渡部榮子、佐々木良三、勝平得之、堀川達三郎
以上10名(展示構成順)
出展数
第1部:日本画19点、洋画14点、写真34点、スケッチ22点 計89点
第2部:日本画29点、洋画17点、版画32点 計78点