1920年代、パリは芸術の中心地として世界の注目を集めていました。
モンマルトルやモンパルナスには、モディリアーニ、シャガール、パスキン、キスリングなど各国の画家たちが集い、豊かな才能を開花させて「エコール・ド・パリ(パリ派)」と呼ばれる芸術家たちを築き上げます。
この時代には、日本からも多くの画家たちがフランスに渡り、藤田嗣治など、当時のサロンで活躍する画家も登場しました。一方で、パリ郊外の古城に居を構えた斎藤豊作のもとへは、長谷川潔、岡鹿之助らが度々訪れ、それぞれの芸術を探求していきます。また、成羽出身の児島虎次郎もこの頃パリに滞在し、自らの修養と大原コレクションに奔走する日々を送っていました。
本展では、国境を越えてパリに集い、優れた個性の芸術を開花させた巨匠たちのエッセンスを紹介するとともに、「芸術の都パリ」で西洋美術の新思潮を吸収し、日本の近代洋画に新局面を切り開いた画家や、異郷に夢半ばで没した画家など、それぞれに彩られた滞仏日本人画家たちの姿を約120点の作品や資料によってご紹介します。
展示構成と主な出品作家
第1部:魅惑のエコール・ド・パリ(12作家25点)
モディリアーニ、シャガール、キスリング、パスキン、ユトリロ、
ローランサンら、エコール・ド・パリを代表する画家たちの作品を紹介。
第2部:パリの日本人画家群像(35作家92点)
Ⅰ-目指せ!エコール・ド・パリの頂点-藤田嗣治とその追随者たち
藤田嗣治、海老原喜之助、高野三三男、坂東敏雄
Ⅱ-テクニク・オリアンタル!-エコール・ド・パリの日本画家たち
出島春光、古城江観、蕗谷虹児、金子光晴
Ⅲ-芸術の都パリ-画家たちの聖地巡礼
石井柏亭、清水登之、小野竹喬、土田麦僊、結城素明
Ⅳ-美術思潮の伝道者-留学生が見たエコール・ド・パリ
里美勝蔵、佐伯祐三、前田寛治、中山巍、坂田一男
Ⅴ-ヴェヌヴェルの静寂の中で-斎藤豊作の交友
斎藤豊作、長谷川潔、岡鹿之助、児島虎次郎
出品点数:内外の47作家、約117点
※会場の都合により作品陳列順が前後する場合があります。