洋画家・堀田清治(1898-1984)は福井市の出身。上京後、槐樹社に加わり、制作活動を行いました。1926年、帝展初入選。初期の作品には、恐慌の影響下に喘ぐ当時の思潮を反映したプロレタリア的な画題が多く見られますが、1929年から2年間にわたる滞欧中には、宗教的主題がモチーフに、1970年代以降は、各地の磨崖仏や観音像に画題が集中するようになりました。アトリエを構えた武蔵野市を拠点に新槐樹社を創立し、後進の指導にもあたりました。
本展では、武蔵野市が所蔵する作品に、柏市教育委員会、多摩市教育委員会の所蔵作品をあわせて合計23点を展示し、初期から晩年にいたる制作の軌跡を紹介します。