建築は常に私たちの身のまわりに存在し、まちの景観形成に欠くことのできない重要な要素です。なかでも、明治維新以降につくられた建築には、日本が近代化に向かう時代の技術・文化、
あるいは人々の価値観や生活の営みが具体的なかたちであらわされており、そこには現在へとつながる地域と人の歴史が凝縮されています。
当館では、これまでに文京区全域を対象として悉皆調査を実施するなど、近代建築に関する資料・情報の蒐集につとめてきました。平成10年度には、特別展「文京・まち再発見-近代建築からのアプローチ-」を開催しています。今回の展覧会は、その第2弾として、明治時代から戦後の高度成長期にかけてつくられた15例の建造物をとおして、文京の近代建築の歴史とデザインを紹介します。