岩手県立美術館は今年で開館5周年を迎えました。
当館では、萬鐵五郎、松本竣介そして舟越保武をはじめとする近代から現代にいたる岩手ゆかりの作家の作品を収集、展示しています。今回の展覧会はこれまでの常設展示とは異なる視点によって内容を構成し、コレクションの新たな魅力を引き出そうとするものです。
当館が収集を進めている岩手ゆかりの作家たちは、その活躍した時代や制作した作品もさまざまです。常設展示では年代順や作家ごとに作品を展示する場合が多いのに対して、この企画ではそのような手法によらず、新たな視点により内容を構成しました。
本展は「5つの視点」に基づいて、お互いに好対照を成す、あるいは共通項を持つ作家をそれぞれ二人ずつとりあげ、彼等の作品を並べて比較してみる「出会い」の場を設けました。そのことにより、それぞれの作家や作品の個性を浮き彫りにし、作家のスタンスや作品の知られざる側面を改めて眺めてみようとするものです。今回の試みにより新たな魅力に出会うことができれば幸いです。
1.萬鐵五郎 と 五味清吉 ― ふたつのベクトル
2.鈴木盛久13代と内藤春治・鈴木貫爾―伝統と革新
3.松本竣介と村上善男―スタイルの変遷
4.千葉勝と本田健―風土とともに
5.舟越保武と百瀬寿―内面の光
出品点数:絵画、彫刻、工芸など約100点