日本人は古代より、山や河あるいは雷など、さまざまな自然現象の中に神の存在を見いだしてきました。このような日本人の宗教観念の基層を形づくってきた神々に対する信仰と、外来宗教である仏教が深く融合した信仰のあり方を、今日一般に「神仏習合〔しんぶつしゅうごう〕」と呼んでいます。近年、日本の神に対する関心の高まりとともに、「神仏習合」の具体的な姿を伝える造形遺品や文献史料の紹介が相次いでいます。本展は、こうした成果を踏まえつつ、初公開となる神像や、古の社の景観美を伝える宮曼荼羅、金工技術の粋を誇る鏡像〔きょうぞう〕・懸仏〔かけぼとけ〕などの名品210件余を一堂に会し、〈かみ〉と〈ほとけ〉が紡(つむ)ぎ出す美の世界を幅広く紹介するものです。
主な出陳品
◎ 女神坐像 広島・御調八幡宮
◎ 女神坐像 広島・御調八幡宮
◎ 薬師如来立像 福井 ・多田寺
● 八幡三神像 奈良・薬師寺
◎ 春日神鹿御正体 京都・細見美術館
● 平家納経(観普賢経)
〔展示期間:5月15日(火)~5月27日(日)〕広島・厳島神社
◎ 山王宮曼荼羅 奈良国立博物館
● 山越阿弥陀図
〔展示期間:4月7日(土)~4月22日(日)〕京都・禅林寺
◎ 虚空蔵菩薩懸仏 岐阜・新宮神社
◎ 多度神宮寺伽藍縁起并資財帳
〔展示期間:4月7日(土)~4月15日(日)〕三重・多度大社
◎ 石造須弥山 東京国立博物館
※●国宝 ◎重要文化財