アイヌの人びとは、北海道島や周辺の島々の厳しい自然のなかで暮らしていました。自然を神とあがめ、自然と共生した暮らしを営んでいました。チセと呼ばれる平地式の住居を中心に、倉庫、飼育檻(おり)、祭壇、便所などが一つの単位となっていました。男性は狩猟具の手入れやマキリを用いてイクパスイ・イナウなどの祭祀用具をつくり、女性は着物やゴザの製作や食事の支度などをおこなっていました。
今回の特集陳列では、さまざまな形の機織具とそれを用いて製作された衣服や布、漁撈具(ぎょろうぐ)や木製の器など、生活に密着した資料をもとにアイヌの人びとの暮らしぶりを紹介いたします。