芦屋は大阪の奥座敷といわれるように受け継がれた文化的資料は大阪文化を偲ばせるものが多い地域といえます。なかでも床の間を飾る書画は大阪ゆかりの作品が多く、芦屋においてそれらを顕彰する機会を設けたいと考えました。
今回は、近世近代に大阪を中心に活躍した四条派系の画人西山芳園や完瑛親子の大坂風景図などを中心になにわ大坂のはんなりとした絵画表現にスポットを充てようとするものです。その中で、大坂画人の作品と思われる『花の下影』を出品し、幕末浪華のくいだおれ事情を紹介します。また、四条派の渡辺祥益に日本画を学んだ小出楢重も大坂画人の系譜の中で取り上げるほか、長谷川小信の立版古(浪花心斎橋鉄橋の図)など遊びの文化も取り上げます。
これら、興味深い作品、約100点を紹介することで、京都四条派や江戸狩野、若冲や蕭白などの異端の画家には見られない、なにわ大坂画壇の真骨頂を有名無名の作家を取り上げつつ、画壇の広がりとその奥深さをご堪能いただきたいと考えています。
出品作品
西山芳園、完瑛「大坂画帖」、長山孔寅、上田公長、佐藤魚大
忍頂寺静村、長谷川貞信、渡辺祥益、小出楢重、「花の下影」
など約100点