両大戦間のパリを舞台に、それぞれの個性や民族性を背負いながら、多彩な表現活動を繰り広げた異邦人画家たちを「エコール・ド・パリ(パリ派)」と通称します。1920年代のパリは、すでに“芸術の都”として定着し、あらゆる分野の世界中のアーティストをとらえて放さない魅力に満ちたものでした。その生き生きとした雰囲気を、若き日のパリで過ごしたアメリカの文豪ヘミングウェイは次のように語っています。 「もし、君が幸運にも青年時代にパリに住んだとすれば、君が残りの人生をどこで過ごそうとも、それは君についてまわる。なぜなら、パリは移動祝祭日だからだ」(アーネスト・ヘミングウェイ『移動祝祭日』) 本展は、エコール・ド・パリの名で親しまれている画家たちばかりでなく、1920年代のパリで活躍した様々なジャンルの芸術運動を紹介し、ヘミングウェイが「移動祝祭日」と呼んだ、印象的なパリの賑わいを浮彫にしようとするものです。絵画、素描、版画、写真、彫刻、書籍など合わせて140余点を展示します。