歌手として、女優として、世界を舞台に活躍するジュディ・オング。子供の頃から絵を描くことが大好きだった彼女は、25歳の頃に木版画と出合い、その才能を開花させました。
「ジュディ・オング倩玉」の画号(雅号)で活動する彼女のテーマは、一貫して「日本家屋」と「花」。全国各地の旧家や神社仏閣を取材し、日本家屋の伝統的な構造を、木版画ならではの大胆な構図と力強い線、細かい細工で表現。これまで、日展・白日会展・日本板画院展を中心に活躍、2005(平成17)年の第37回日展では《紅楼依緑》が特選を受賞するなど、多くのファンを魅了してきました。
本展覧会は、ジュディ・オング倩玉の初期作から最新作までを一堂に紹介した、本格的な展覧会であり、日展初入選の《冬の陽》をはじめ、宇治の平等院に奉納された《鳳凰迎祥》、日展特選の《紅楼依緑》など木版画約50点によりジュディ・オング倩玉の木版画の魅力のすべてをご紹介します。さらに、彼女の製作過程のスケッチや下絵、版木までを併せて展示し、製作風景の映像と共に、その高度な製作の舞台裏にも迫ります。
この機会に是非、力強く、そして繊細に、私たち観る者に語りかけるような、静かなたたずまいを醸し出す、ジュディ・オング倩玉の木版画の世界をご堪能下さい。
新見会場より《銀閣瑞雪》と《秋訪》の2点が新たに公開となります。