展示室1-20世紀の人間像
今回は、展示にあたって、「読む」というキーワードを設けました。ここでは、人の内面を読むように、作品に表された人間像を読んでいただきたいと思っています。人間像を読むためのポイントとして、展示室に入ってすぐのところでは、顔に的を絞った「表情を読む」、奥の部屋では、人の姿のありようから考える「気配を読む」という視点で作品を選びました。
展示室1-現代版画
マッタの版画集Ⅰ12月9日[土]-1月14日[日]
マッタの版画集Ⅱ1月16日[火]-2月12日[月・振替休日]
マッタ(1911-2002)は、チリ生まれ。本名はロベルト・セバスチャン・アントニオ・マッタ・エコーレン(エチャウレン)。
今回は、マッタの版画集を3つ紹介します。前半に紹介する<薄暗いアーチのある時間>では、異形の生命体のような存在が、建物のような形の集まりがある海辺の岩場でドラマを繰り広げます。
後半には、線そのものが人物であり機械のように自由自在に展開する<解き放たれた直線たち>、自由な線と形と色が響きあう、スペースオペラのような<ホメロスⅤ>を展示します。
展示室2-徳島ゆかりの美術
伊原宇三郎(1894-1976 徳島市生まれ)の作品は、「学ぶ井原」をテーマに東京美術学校での課題制作<男性座像>、留学時代の作品でフランスの画家ドランの影響がつよく現れた<肖像>、留学時代後期の作品でフォービスム風の筆致と重厚な量感が見られる<束髪>の3点の油彩画を展示します。
島あふい(1896-1988 小松島市生まれ)は、はじめ日本画を学びましたが、1923年に上京し、翌年に川端画学校に入学して洋画を学び、1926年からは前田写実研究所で、洋画家の前田寛治の指導を受けています。今回は、1930年代から70年代までの5点を紹介します。
このほか、石川真五郎(1893-1972 板野町出身)の<自画像>や清原重以知(1881-1971 那賀郡大野村[現・阿南市]出身)の<三宅克己先生像>などの人をテーマとした作品、三宅克己(1874-1954 徳島市生まれ)の水彩画、川人勝延(1922- 阿波郡市場町[現・阿南市]出身)の日本画、平成17年度の新収蔵品の河野太郎氏の遺品から資料的な作品などを展示します。