東京藝術大学が所蔵する主要なコレクションを紹介する展覧会を、新学期にちなんで「新入生歓迎・春の名品選」と題して開催いたします。この展覧会には、新入生たちに美術館の活動を知ってもらいたいという願いもさることながら、上野を訪れる多くの一般鑑賞者に芸大コレクションの質の高さ、幅の広さを知ってもらいたいという美術館としての願いがこめられています。今後、この時期に開催する春季コレクション展は、芸大の主要な名品が鑑賞できる機会として定着させていく予定ですが、今年は、国宝、重要文化財を中心とした名作を古美術品から厳選し、さらに明治から昭和にかけての各分野の代表作を加えた名品選といたします。その中でも、修理後はじめて公開となる重要文化財《小野雪見御幸絵巻》の展示に際しては、模本類なども合わせて展示し研究的成果をふまえた特集といたします。また、近年新しく収蔵した作品についてもその一部をお披露目いたしますので、企画展以外の美術館の活動を紹介する好機となることでしょう。
総点数およそ45点で構成する小規模な展覧会ですが、芸大コレクションの精髄をお楽しみいただけるものと思います。
主な出品作
《絵因果経》(国宝)
《観世音寺資財帳》(国宝)
《小野雪見御幸絵巻》(重要文化財)
《菩薩立像》(重要文化財)
《金錯狩猟文銅筒》(重要文化財)
高橋由一《美人(花魁)》(重要文化財)
浅井忠《収穫》(重要文化財)
原田直次郎《靴屋の親爺》(重要文化財)
ヴィンチェンツォ・ラグーザ《日本婦人》
板谷波山《彩磁花卉文花瓶》
加山又造《倣北宋深山凍林》
長谷川潔《時 静物画》