このたびの高松市美術館コレクション展では「東西芸術家の出会い」と題し、日本と欧米の芸術家間の交流や影響関係などを、当館の所蔵作品約180点によりご紹介します。
1938~40年滞欧した猪熊弦一郎と、彼に感化を与えたピカソ、マチス。1936年糸を張りメカニックな抽象レリーフ「カラカラ」を作り出した斎藤義重と、その創作に多大な影響を与えたマレーヴィチ、リシツキーらロシア構成主義の作家たち。1952年渡仏した当初鳥や猫をモチーフにユーモラスな絵画を描いた菅井汲と、その作風に影響を与えたクレー、ミロ。シュルレアリスムの特異なデッサンを試みた瀧口修造と、瀧口が関心を抱いていたエルンスト、タンギーらシュルレアリストたち。レインボーの画家・靉嘔と、彼が参加した60年代の前衛グループ・フルクサス。80年代以降の絵画シーンをリードする大竹伸朗と、彼が親交を結んだ英国の画家ホックニー。アニメなどから引用したアイコンを自在に操り独自の日本的ポップを展開する村上隆と、モンローなどの大衆的アイコンを用いる元祖ポップ・アーティスト、ウォーホル・・・
日本と欧米の芸術家たちのさまざまな形の出会い。それらが日本の現代美術の世界を多様性に富み、魅力あるものにしているということを、本展を通して感じていただければ幸いです。