清里北澤美術館では、長野県茅野市在住の陶芸作家飯山和俊の作品展を開催いたします。八ヶ岳山麓には太古の昔から人々の生活を支えてきた緑豊かな大地が広がっています。古代遺跡も数多く存在し、茅野市郊外の棚畑遺跡からは国宝指定を受けた「縄文のビーナス」も出土しています。そのような古代のロマンに満ちた土地に生まれ、幼い頃より様々な土器片を拾い遊んで育った飯山和俊は、土の持つ力を自らの意思と重ねて創作活動に励んでいます。その仕事の特徴は、神秘的な樹陰の木霊や、土偶のたくましさなど、森にひそむ多様なイメージを陶器によって表現する点にあると申せましょう。高原の澄み切った大気の中で、自然との交感にいそしむ気鋭の陶芸作家の最近作をご高覧ください。