アーミッシュは16世紀の宗教改革時にヨーロッパで生まれたキリスト教の宗派で、アメリカには18世紀に渡ってきました。
彼らは電気、ガス、水道などを使わず、交通手段も馬車だけで、家族規模の農業を営み、服装も昔のヨーロッパの農民の服装とほぼ同じで、男性はつばの広い帽子に無地のシャツと吊りズボン、女性は頭にボンネットをかぶりワンピースとエプロンを着ています。彼らは聖書の教えのもとに厳しい規律を守って独特の文化を形成しています。キルトは女性たちの手仕事として代々受け継がれてきたアーミッシュの文化のひとつです。彼らの暮らしは現代アメリカの奇跡といわれています。
本展ではアーミッシュの人々やその風景を描いている松下麻里氏の絵画、アーミッシュと共に過ごし、語らいあった写真家菅原千代志氏の写真、地元酒田でキルトサークルを主宰し活躍されている菅原真理子氏の作品を展示し、アーミッシュの世界を紹介します。
人間の無限の物欲によって自然が破壊され環境問題が叫ばれる現代で、アーミッシュの世界から人間にとって本当の幸せと失われつつある家族の絆について考える機会になることでしょう。