国宝「源氏物語絵巻」をもとに、描かれた12世紀当時の姿を現代によみがえらせた「平成復元摸写」19図を一堂に展示。
国宝「源氏物語絵巻」は、紫式部が『源氏物語』を著した約一世紀後の十二世紀前半(平安時代後期)に制作されたと考えられる現存最古の物語絵巻です。現存する絵巻の絵は十九図。名古屋の徳川美術館と東京の五島美術館に所蔵されています。
九百年の時を経て剥落や褐色がすすんだこの十九図は、制作当時どのような姿だったのか。平成十一年より、「源氏物語絵巻」復元摸写プロジェクトが始まりました。この復元摸写は、最新の科学技術と現代の画家の技を結集し、当時と同じ絵具、同じ技法で製作され、約七年の歳月をかけて完成しました。
本展では、この「平成復元摸写」十九図のほか、江戸時代から現代までの摸写作品をあわせて展示いたします。色鮮やかによみがえった平安王朝美の世界をお楽しみください。
展示構成
国宝「源氏物語絵巻」平成復元摸写
先端の科学技術による分析と学術的調査による復元摸写事業で、描かれた当初の姿によみがえった、「国宝・源氏物語絵巻」。約900年前の輝きを取り戻した復元摸写絵巻全19図を一堂に展示します。
国宝「源氏物語絵巻」復元の系譜
科学技術を駆使した、平成の復元事業以前にも、「国宝・源氏物語絵巻」を忠実に再現しようと試みた復元摸写作品が数多く存在します。
その中から、江戸時代から昭和にかけての秀逸な摸写作品を中心に展示し、それぞれの作品から垣間見ることのできる「源氏物語」の世界観をお楽しみいただきます。