1915(大正4)年郡山に生まれた彫刻家・佐藤静司。90歳を越えた現在も日展を中心に活躍を続けています。
同郷の木彫家・三木宗策(1891~1945)に学び、戦後は澤田政廣(1894~1988)に師事して、伝統的な木彫技術を修得。1960年代以降、確かな技術に裏づけされたモダンな造形で、ストイックでありながら自由闊達でユニークな作品を発表しています。それは作家の人となりを反映し、豊かな観察眼と感受性から生み出されたものでもあります。「自分を壊しては作っていくのが大切」、「先に何かを発見したいという気持ちで進んでいる」と語る彫刻家は、いまも新鮮な感動を求めて変化し続けています。
日展では審査員、評議員などを歴任し、1997(平成9)年には勲四等瑞宝章を受章。郡山市内にはモニュメントなど作品が各所に展示され、郡山市フロンティア大使でもある彫刻家・佐藤静司。その70年余りの創作の歩みを紹介します。
凛々しく力強い僧侶、あどけない表情の幼児、美しい女性像や慈悲あふれる母子像といった作品の数々―その木のぬくもりと清々しさは私たちをやさしく包んで、心安らぐ時間をもたらしてくれることでしょう。