ユダヤ人としてロシアの寒村に生まれたシャガールは、故国にあっても自らの民族を意識せざるを得ませんでした。またパリでは異邦人として制作し、ようやく取得したフランス国籍はナチス・ドイツによって剥奪され、亡命を余儀なくされます。彼は民族と国境の間で彷徨いながら、画家として大成していきました。
その長い画業の中で、シャガールは繰り返し自画像を描きました。それは激動する社会の中で、画家としての自分を見失わないための努力の跡のようにも見えます。
自画像の中に、シャガールの心を探してみませんか。
特別出品
シャガールと同時代の画家たち
マックス・ベックマン作 版画集《顔》から
前期:3月29日(木)~4月26日(木)
後期:4月28日(土)~6月3日(日)