今回の展覧会は、20世紀に活動し、世を去っていった旭川ゆかりの作家たちの活動を歴史的に回顧する内容です。旭川美術館の所蔵品から、画家13人と彫刻家1人による75点の作品を紹介します。
旭川の美術の歩みは、大正時代なかばにはじまり、20世紀前半の激動期から後半の再生と平和の時代へと続いてきました。その歩みは当館でも再三にわたって紹介してきましたが、本展では、地元の美術の流れを、より広く内外の動向も意識して、紹介します。
旭川の美術の流れは、必然的に内外の多様な美術の動向に呼応したものです。例えば、文展(文部省美術展覧会)、帝展(帝国美術展覧会)に入選することが地域在住のの画家の勲章であった時代(明治末期~戦前まで)、フランスとアメリカから新しい美術表現の波が押し寄せてきた昭和30年代、フランスに留学することが画家の夢であった時代(戦前戦後の長い時期)など、それぞれの時代に当てはまる典型的な作家が旭川にもいました。そして、時代の流れを概観したときに、全体の頂点に立つきわめてすぐれた個性をもつ作家の存在が見えてくるのです。
内外の動向も絡めて旭川の美術の流れを知り、その中から、それぞれの作家の新しい魅力を是非発見していただけたらと存じます。