古い美術品の目を向け、親しんでいただこうという企画、「古美術鑑賞入門」の第二回目です。今回は肖像画をとりあげました。 400年におよぶ長い歴史をもつ細川家には、初代幽斎(ゆうさい)(1534~1610)から十五代護成(もりしげ)(1868~1914)まで歴代の殿様と家族の肖像画が100点以上伝来しています。そうした殿様の肖像画は衣冠(いかん)や束帯姿(そくたいすがた)で多く描かれますが、平服のものもあり、バラエティに富んでいます。幕末の殿様の肖像画には、西洋画の影響を受けているものや、写真を基に描かれた油絵などもあります。また、奥方を描いたものや、なかには殿様自ら幼くして亡くしたわが子を描いた肖像画もあります。それらの肖像画に、十六代護立(もりたつ)(1883~1970)と親交のあった画家、梅原龍三郎(うめはらりゅうざぶろう)(1888~1986)・安田靫彦(やすだゆきひこ)(1984~1978)の描いた横山大観(よこやまたいかん)(1868~1958)の肖像スケッチもあわせて展示し、肖像画のもつ意味と魅力を紹介していきます。 歴代の肖像画のまとまった展示は今回が初めてです。細川家の長い歴史にも触れていただければ幸いです。展示総点数62点。会期中、一部を除き展示替を行います。