第19回自然を描く展(平成18年)の審査会の折に荻太郎先生から、東京美術学校で同期だった故・渡辺武夫氏(日本芸術院会員、光風会理事長)作品寄贈のご紹介をいただきました。
平成19年新春、ご遺族から16歳で第一美術協会に入選した《風景(浦和高砂)》をはじめ、《法服の父》、《S先生の肖像》など人物画の代表作と、日展、光風会展で発表された風景画など49点が、寄贈されました。
親しい身近な人たちを描いた人物画は、温かな心情に溢れた作品です。また、木立を主にした自然やヨーロッパの町並みを描いた風景画には、新境地を拓こうとした意気込みが感じられます。
今回、昨年夏に新設された上野の森美術館ギャラリーで寄贈作品のうちから約20点を公開して、渡辺武夫氏の画業の一端を紹介いたします。