現代人の生活には至る所にアートが同居していますが、さまざまなスタイルやデザインの源(ルーツ)が 実はここ「ニッポン」にもつながっていることを、見逃している方、意外と多いのではないでしょうか? 例えば浮世絵、伊万里焼、着物などが西洋の作家達にどのような影響を与えたか?本展では、陶器やガラス、アクセサリー等装飾美術品の数々を 展示し、和と洋の装飾アートをご紹介します。
ルーツ(源)は日本、アートシーンへの意外な影響力
鎖国の頃、日本文化は海外にあまり知られていませんでした。しかし、開国以降だんだん諸外国との人や物の交流が盛んになり、浮世絵や陶磁器、着物などの日本文化が西洋で紹介されると、大流行します。西洋の作家達は、日本的な花鳥風月を主題にしたり、浮世絵の画法を真似たり、着物や屏風など日本的なインテリアを生活にとりいれたりしました。このような日本美術愛好の現象とその影響を「ジャポニスム」とよびます。
装飾アート=アール・デコ
かつてヨーロッパの芸術は、建築、彫刻、絵画の三つに限られていました。生活の中で使われる工芸品は、芸術ではなかったのです。しかし19世紀末から、工芸品の価値を高めようとする運動が起こります。それは芸術の実用化、日常空間の芸術化を目指す動きでした。そんなアール・ヌーヴォー、アール・デコ期に活躍した作家達による装飾アートを多数展示しています。
伊万里焼やオールドノリタケ(陶器)、トンボ玉、キモノ、ドレス、ガラス、版画、ブロンズ、腕時計、香水瓶などの作品を展示。1階、2階合わせて約250点の作品をご覧いただけます。