日本画の登竜門として注目を集めた「山種美術館賞」は、日本画の奨励・普及活動の一環として1971年の第1回からビエンナーレ方式で1997年の第14回まで開催され高い評価を得てまいりました。毎回著名な美術関係者により推薦された作家が新作を出品する形をとっているため、時代を反映した作品が集まり、中から大賞1名、優秀賞2名を選ぶものです。当初の受賞者は、今では押しも押されぬ大家になった作家も数多く、改めて山種賞の意義の大きさ、確かさを感じます。PartⅠでは第1~6回の出品作と出品作家を中心に、約20年にわたった歩みとともに、現代日本画の動向を見ていこうとするものです。これらの作品によって現代日本画の大きな道筋を俯瞰するとともに、今の時代、そして次代に向かう日本画に展開の一つの方向を読み取っていただきたいと思います。