原始時代から今日に至るまで、 美術における人間像は様々な形で表現されてきました。 古くは呪術的な意味を込めて、 またある時代には純粋に人間像にせまり、 また今日では、 人間像を様々な角度から解釈し、 多様な表現が芸術家たちによって追求されています。 この展覧会では、美術にとって最も重要な主題のひとつである「人間」という共通のテーマが、 近 代から現代へという美術の展開の中で、 いかに多様な「像」として表現されてきたのかを、 当館の収蔵作品によって紹介しようとするものです。展示構成にあたっては、 当館に多くの作品が収蔵されている、 本県ゆかりの画家である寺内萬治郎と田中保を中心に、 近代から現代までの国内外の様々な作家たちの作品を紹介します。 出品される作品も、 日本画や油彩画から、 ドローイング、 版画、 写真、 彫刻、 インス タレーションまで、 幅広いジャンルに及びます。 この展覧会では、 このように時代やジャンルの異なる様々な作品を紹介することによって、 現代に生きる私たちにとって表現された「人間」とは何かを探ります。