古代エジプト文明は、紀元前3,000年頃、豊かな水や肥沃な大地など、ナイル川がもたらす大いなる恵みに育まれて花開きました。自然界のさまざまな現象に神を見、来世での復活再生を信じたエジプトの人々は、巨大なピラミッドや壮麗な神殿を造り、そこに色鮮やかな絵画やレリーフ、彫像や道具、装飾品などを副葬しました。これら副葬品の数々から当時の人々の生活や精神世界をかいま見ることができるだけでなく、その美しい造形からは、古代エジプト人たちの卓越した美的感覚もうかがい知ることができます。本展は、カイロ博物館の至宝《プスセンネスⅠ世の黄金のマスク》をはじめ、日本初公開作品を含む75点の作品により、この栄光に包まれた古代エジプトの美の世界を紹介するものです。