現代日本を代表する詩人、大岡信(1931-)は早くから美術評論家としても活躍しています。1950年代半ばから国内外の表現者と出会いを重ねてきました。とくに東京、日本橋にあった南画廊を介して加納光於、サム・フランシス、宇佐美圭司ら同時代を代表する美術家や武満徹、一柳慧といった音楽家と親交を深めました。
彼らとの交流は詩となり、評論となって、さまざまな実りをもたらしました。さらに、ときとして彼らと触発しあって共同作業にたずさわり、また、大岡自身も手ほどきを受け版画や水彩画を制作しています。
大岡の手元にある400点を超すコレクションは豊かな出会いの貴重な証です。本展では、大岡のコレクションの分析をふまえ、さまざまな表現者と大岡の交流によりもたらされた作品ならびに共同制作、大岡自身による版画や水彩画などおよそ150点を紹介いたします。