大漁祝いの祝い着として万祝(まいわい)が流行したのは、江戸時代の末頃で、房総半島一帯から広まったといわれています。俗に千両・万両といわれる予期せぬ漁獲高を得たとき、大漁を祝って船主や網主が、船子・網子に贈ったものです。万祝の分布は房総を中心に、静岡県から青森県にかけての太平洋沿岸の地域に見られます。
万祝に染められている絵柄は松竹梅・鶴亀・七福神などの縁起物や、浦島太郎・桃太郎などの昔話を題材にしたもの、千鳥に波模様・注連縄・牡丹に唐獅子、マグロ・カツオ・クジラなど漁獲物をあらわすものなど実にバラエティーに富んでいます。
本展では、各地に残された大漁の証であるさまざまな万祝を紹介します。海の男の粋な晴れ姿を鑑賞していただきます。
展示構成
1.華やかな絵柄の万祝
2.魚法と漁獲物の絵柄の万祝
3.房総との交流
4.再利用された万祝
5.万祝を染める