1930年岩手県水沢市に生まれた大宮政郎は、1968年モスクワに向かう機中で数時間にわたる夕焼けを眺めたことをきっかけに「人が動きながら、又は、移動しながら自らスピードをもって物を見、考えたなら芸術はどの様に変わるか・・・」といった独自の視点から「人動説」を唱え、作品化してきました。数時間にわたる夕焼けは、地球の自転と飛行機の移動の関係というだけではとらえきれない体験であったといいます。
ドローイング、立体、版画、写真と多彩な表現で追い求め続けている「人道説」の世界は実験であり、思想の体現であると同時に、少年のような好奇心と独特の詩情に満ちています。この展覧会は、初めてその全貌を紹介するものです。