本展では、2006年8月から11月までの間に、高畠華宵大正ロマン館に館蔵品として加わった作品群(1155点)から、選りすぐりの作品約250点を初公開します。
新発見された高畠華宵(宇和島出身・1888~1966)の日本画15点をはじめ、少女グッズとして人気の高かった「華宵便箋」の表紙絵原画、昭和10年前後の挿絵や「華宵便箋」の表紙絵がこの度新館蔵品となり、華宵の画風の変遷や画業の歩みをより詳細に知ることができるようになりました。さらに、華宵と同時代に活躍した「大正ロマン」の画家たち(伊藤彦蔵・山口将吉郎・樺島勝一・蕗谷虹児)の挿絵なども新しく館蔵品となりました。これらは、美少年・美少女を描いた華宵の個性や華宵が同時代の画家に与えた影響などを探るうえからも、貴重な作品です。
主な展示構成
1華宵の日本画比較展示コーナー…同様のテーマで描かれたこれまでの館蔵品と新館蔵品を併せて展示し、華宵が日本画製作で積極的に取り組んだテーマを紹介します。
新しい館蔵品 《瀑布之図》絹本・彩色/軸装
これまでの館蔵品《瀧》昭和10年前後・絹・本・彩色/軸装
新しい館蔵品 《夏深山》絹本・彩色/軸装
これまでの館蔵品《夏山》昭和11年頃・絹本・彩色/軸装
新しい館蔵品 《町娘と魚売り》紙本・彩色/軸装
これまでの館蔵品《かへりつばめ》昭和初10年前後・絹本・彩色/軸装
これまでの館蔵品《竹馬》昭和13年頃・紙本・彩色/軸装
2「華宵便箋」コーナー…大正末から昭和戦前にかけて、「華宵便箋」と呼ばれた華宵グッズが少女たちのあいだで人気を博しました。「華宵便箋」は、村田社・日出づる国社・五藤社・ベニバラ社と、たくさんの会社から発売されています。ここでは、新館蔵品となった五藤社(大阪)の便箋原画とベニバラ社(華宵の弟子の一人・加藤清一が昭和6年に設立)を中心に展示します。
3華宵と同時代に活躍した「大正ロマン」の画家たちコーナー…「剣の彦造」こと伊藤彦造、「武者絵の山口」こと山口将吉郎、「船の樺島」こと樺島勝一など、個性的な画風で大正末から昭和初期に少年・少女雑誌を沸かせた「大正ロマン」の画家たちの作品を紹介します。