四季に恵まれた日本は、季節の移ろいを肌で感じ、早々と季節の訪れを告げるちょっとした変化に気づき小さな感動を覚え、季節ごとの自然の美しさに心奪われます。そうした四季の変化に魅せられた日本画家達は、その感動を筆に託します。そうして描かれた日本画は、日本家屋の床の間に季節の窓として掛け軸を飾り、襖絵あるいは屏風絵になり日本家屋に「わび」「さび」「幽玄」「粋」「艶」「晴れ」「褻」等の“間”を表現してきました。そこは、日本人の美の感性が息づいています。
今回の展覧会は、「春彩」をテーマに江戸期から昭和までの近代日本画を展示します。日本の春の美しさを日本人の心の内なる自然をご鑑賞下さい。皆様の来館を心よりお待ちしています。