松岡美術館所蔵の近代日本画コレクションは、明治・大正・昭和にわたる近代日本画壇に名を馳せた巨匠たちの作品を中心として各画家の代表的な作品を含んでいます。とりわけ、岡倉天心の理想に沿って新しい日本画の創造をめざした日本美術院の画家たちの作品は、館蔵の近代日本画コレクションの中核を占めます。なかでも日本美術院では龍虎と併称された横山大観と下村観山の作品は、両大家の代表的な優品を含むことで知られています。
今展では、この大観・観山の作品を中心に、日本美術院草創期に活躍した橋本雅邦、寺崎広業、川井玉堂、菱田春草をはじめ、大正3年日本美術院再興以降頭角を現した木村武山や、昭和初期から戦後にかけてさらに院展を発展に導いた小林古径、前田青邨、奥村土牛、また近年まで院展同人として活躍した画家たちの作品など合わせて約30件余りを展観し、明治から昭和にかけて伝統と革新を常に模索しながら展開した日本美術院の画家たちの魅力に迫ります。