いわさきちひろは、あわただしく過ぎていく日々のなかでも、常に新しい発見や驚きに満ちていた幼い頃の感覚を失わず、あたたかなまなざしで子どもたちを見つめ、その姿を細やかに描き出しました。ちひろの絵を見ると、子どもの頃、誰もが持っていた感覚がなつかしくよびおこされます。そこには、今の子どもたちにも伝えていきたいぬくもりがあります。
本展では、「春-小鳥・小猫・小犬」、「雨ふり」、「夏の宵」「秋の夕ぐれ」、「雪」という5つの季語に見立てたテーマに沿って、ちひろが描いた子どもたちの魅力を彼女自身のことばを織り交ぜながら紹介する他、生前に手がけたカレンダーの原画や、35年ぶりに発見されたクリスマスの絵など、季節感豊かな作品約40点を展示します。ちひろの絵とともに1年をふりかえり、日々の生活の中にある美しさや豊かさを再発見してみませんか。