大阪芸術大学が所蔵する、大正から昭和初期にかけて家庭で楽しまれていた「おもちゃ映画」と「蓄音機」をともに展示し、当時の家庭での娯楽を紹介いたします。
「映画」と「蓄音機」はともに19世紀の終わり頃に考案され、20世紀にはいり「映画」は劇場での楽しみ、「蓄音機」は家庭での楽しみとして親しまれていきました。そんな中、日本では大正から昭和初期にかけて、劇場用の映画フィルムの一部を切り取り再編集したものや短編アニメーションなどが作られ、家庭用の手廻し式映写機とともに売り出され、家庭で楽しまれました。それが「おもちゃ映画」です。
本展では、映像学科太田米男教授を中心に進めている教員共同研究プロジェクトによって復元され、ビデオ化された「おもちゃ映画」から、時代劇やアニメーションなど約150本をビデオプロジェクターによる上映とパソコンを使った検索システムでご覧いただけます。また、オーディオ資料室で所蔵しているSPレコードから、昭和初期の流行歌など約160曲を、「蓄音機」で再生し、聴いていただくことができます。
家庭で楽しまれていた「おもちゃ映画」と「蓄音機」の数々を、モダンで華やかな大正から、戦争へと向かっていく昭和の時代、娯楽の中にも色濃く反映される時代背景にも思いを巡らせながらお楽しみください。