日本画壇の伝統ある院展(日本美術院展)を中心に作品発表を行ってきた大野百樹は、院展同人として活躍しており、現在は埼玉県において唯一の同人であります。日本画道に精進し60年の間に極められた独自の点描技法により、四季のうつろいを色彩豊かに表現した作品は鑑賞者の心を動かすことでしょう。本展では大野百樹の画業を回顧し、初期の人物を主題にした作品から、雄大な山々を描き続けた院展出品作を中心にご紹介するだけでなく、詩画集『四季点描』の原画展示や、日本画制作過程において大変重要な素描や下図も併せて展示することで大野先生の創作活動に迫ります。当館においても初となる日本画の本格的な展覧会となります。