水戸徳川家は、江戸城吹上付近に屋敷を構えていた寛永6年(1629)、小石川(現在の文京区春日・後楽付近)の地に屋敷を拝領します。その後、明暦3年(1657)の大火を契機として、江戸城内から完全に移転し、小石川の屋敷を本邸としました。
水戸徳川家については、水戸学や、尊皇攘夷など思想史に関わる研究は、多くの蓄積がありますが、藩主をはじめとする江戸藩邸内での人々の生活の実態については、詳しいことはあまりわかっていません。
今回の展示では、小石川や駒込の屋敷跡地における発掘調査成果を中心として、指定文化財としてのこされた庭園・後楽園の知られざる歴史や文化についてもご紹介します。