奈良時代、武蔵国に新羅僧等74人が移されて新羅郡が建郡されました。現在の朝霞市域はその新羅郡の一部にあたります。奈良時代から平安時代初頭には新羅郡出身の沙良真熊が新羅琴の名手として名を馳せていました。
現存する当時の新羅琴は正倉院に納入されている3面を数えるのみで、その演奏法も日本では伝承されていません。また、奈良時代に演奏されていた新羅楽についても不詳ですが、日本古来の音楽や中国大陸などから伝来した音楽と融合し、今日では雅楽として伝わっています。
そこで本企画展では、新羅琴の関連資料や紀州徳川家ゆかりの雅楽器・日光東照宮で使用された舞楽装束などを列品してその歴史や意匠を紹介するとともに、美を鑑賞します。あわせて、伝統芸能の普及に資するために伝統芸能を支える職人の技についても紹介します。