1956(昭和31)年、『少年』誌上で「鉄人28号」の連載が始まると爆発的人気を博し、横山光輝は一躍人気漫画家となりました。「鉄人28号」は先行していた「鉄腕アトム」とは異なり、リモコンで操縦する巨大ロボットのパイオニアとして世代を越えた知名度と人気を誇っています。
2006年は「鉄人28号」誕生50周年にあたります。これを契機に「鉄人28号」を世に送り出した漫画家横山光輝の多様な作品の全容を紹介しようと企画されたのがこの展覧会です。
1955年、貸本漫画「音無しの剣」で本格的にデビューした横山光輝はその後、「鉄人28号」「ジャイアントロボ」といったロボット漫画、「魔法使いサリー」「コメットさん」などの少女漫画、「伊賀の影丸」「仮面の忍者赤影」などの忍者もの、さらには日本の歴史から題材を採った「徳川家康」「伊達政宗」、中国の歴史を描いた「三国志」などの歴史ロマン作品など、世に語り継がれる名作をつぎつぎと描きあげ、その幅広い活動は目を見張るものがあり、燦然を輝いています。しかし、これまでにそれらの全容を紹介する展覧会は行われてきませんでした。今回の展覧会では初期の貸本漫画から「鉄人28号」をはじめとした多くの作品原画や掲載誌などを展示するだけにとどまらず、多種多様な作品関連グッズや映像なども紹介して、それぞれの作品がいかに人気を博していたかをも見てもらえる企画としました。
それらを通してあらためて横山光輝の世界に浸っていただければと思います。