江戸後期の絵描き・吉田藏澤、明治期の書家・三輪田米山、二人の豪快な作品を紹介。
「伊予の豪傑?なんと大仰な」 と思われるかもしれませんが、二人の墨蹟は、久万美術館所蔵の近世~近代の伊予の書画コレクションの中でも、ひときわ存在感の強いものです。彼らは、温厚柔和な気質と言われる伊予の地で、質実剛健、豪快無比な墨の芸術作品を残しました。また、二人とも、それぞれが生きた時代の画壇や書道界とは一線を画しながら創造力を発揮した人物です。そんな彼らをあえて豪傑と称しました。
彼らは、伊予の近代芸術へつながる礎の一端を築いたといえます。時代を超えて語り継がれるべき人物ですが、残念ながらその功績は風化に向かいかけているのも事実でしょう。
そんな現在、彼らの遺墨を紹介することで、その意義を認識していただき、次代へ伝える一助になればと考えます。