現代日本画の世界で今、最も注目を集めている内田あぐりの初の回顧展です。
内田あぐりは、1949年東京生まれ。武蔵野美術大学大学院修了。在学中から創画会に出品、はやくからその実力を認められ、75年、87年、97年創画会賞を受賞します。93年からは文化庁在外研修員として渡仏。また、2003-2004年、武蔵野美術大学在外研究員として渡米しました。この間、1993年、山種美術館賞展で大賞を受賞、また、2002年、第1回東山魁夷記念 日経日本画大賞受賞などで、現代日本画界を代表する画家のひとりとして知られるようになります。初期から一貫して人物像に取り組み、東洋、ときには西洋の古今の美術を吸収、換骨奪胎し、新たな人物表現の地平を開拓しています。その技法は伝統的な日本画の画材を基礎としながら、コラージュ(貼り付け)、スクラッチング(削り取り)等の斬新な手法を駆使し、日本画というジャンルの可能性を押し広げるものとなっています。
本展は公立美術館初の回顧展となります。過去の代表作から新作、さらに普段みる機会が少ないデッサン等を一堂に展観することにより、その豊かな作品世界を紹介するものです。