京都精華大学ギャラリーフロールは「岡崎和郎展」を開催いたします。この展覧会は、学生時代から彫刻の制作を始め、以後わが国前衛美術の展開の中で独自の位置を保ちつづけている岡崎和郎の新作を含めた展覧会です。
岡崎和郎(1930年岡山市生)が制作する彫刻=オブジェ=マルチプルは、その様式の違いを超え、一貫して物の見方や認識のずれを包合しています。ともすれば表面的なユーモアや驚きに目を奪われがちですが、作品の奥にはものの捉えかた、また意味論にまつわる作家独自の見解が示されているように思えます。
この展覧会は岡崎和郎の膨大な作品群のうちから、作家自らと企画者が共同で選択した、初期作品から近作までを網羅する約25点によって構成されます。
この展覧会が岡崎作品、ひいては現代の美術を探求するうえでよい機会になることを希望いたします。