庭は、木々のざわめきや水のせせらぎ、訪れる鳥の声に耳を傾け、花の香りを嗅ぎ、枝から果物をもぎ取って味わう、五感すべてで感じる事のできる空間です。そこは、ときに私たちを至福へと導く聖域となり、ときに精神を研ぎ澄ます瞑想的な場となります。そうした空間に身を置くことで、私たちは穏やかに自らと向き合うことができるのです。
人工物に囲まれた現代の生活の中で、私たちはいかにしてそうした庭を身近に引き寄せることができるでしょう。いま人工物と自然は、互いに反発し合うのではなく、次第に寄り添い、結び付きながら、新たな庭を作り出す可能性をささやいています。
レースをまとった観葉植物、隙間に出現した小さな庭、お菓子でできた島、ふわりと膨らんだ大きな房、真っ白な迷宮-一つの庭からまた別の庭へと巡るように、それぞれの作家たちの庭を味わってみてください。いつも庭とともにあるための、いくつかのヒントをみつけることができるでしょう。